フリーランスの芸術家は、毎回決まった仕事が常にあるわけではないので、忙しい時期と何も発表がない期間が一年のうちに何度も繰り返し訪れます。
仕事がない時期は専ら次のプロジェクトの実現先を探すか、自分の活動成果をまとめる資料を作るか、あるいは作品制作や次回作のリサーチなどに当てられ、結局一年中何かしら仕事をしていて休む暇がありません。
出産や育児のために制作と発表を長い間中断してしまうと、もう次の展示のチャンスが来ないかもしれないと悩み、子供を産むことを先延ばしにするケースが多々あります。
会社に勤めている女性も出産・育児後社会復帰して前と同じ職種の待遇で働くことができるのかという不安があります。フリーランスアーティストの場合も、少しでも活動期間に空白ができると、もう誰も作品に見向きをしてくれなくなるという不安があるのです。
それゆえ、プロとして一人前になって、展覧会の機会が安定して来るようになってから子供を産むこと決めるのですが、その時は30代後半や40代での高齢出産になります。また、売れっ子の芸術家は日本だけではなく世界中を飛び回って作品を展示しますが、幼い子供がいるとそれもなかなか出来ず、活動がかなり制限されてしまいます。パートナーや家族に理解があれば多少負担は減りますが、女性アーティストの多くは、未だに自分の活動と子育ての両立に悩まされています。
しかし、IT環境が整っている現代では子育てをしながらフリーランスとして活躍する人々が数多くいます。芸術家であれば作品をインターネット上で公開したり、販売することができます。ネイリストの方であれば自分のサイトを作って宣伝し、家で活動することもできますし、IT関連の職業の方であれば在宅で好きな時に仕事をすることも可能なのです。